明日出品の本からおすすめ

明日は洞ケ島ナイトバザールです。
宵闇で本。
アウェー感満載ですが
今回も新しい本(ほぼ古本だけど、新入荷というイミですヨ)を
たずさえて参ります。
本の重みでボロ車がかしいでも負けません。
しかもクーラーが壊れていますががんばります。
そこまでするんだし。(脅迫)
明日の夕方は是非、洞ケ島界隈へお越し下さいませ。

そして今回持って行く本の中でおすすめをいくつか。


1.『風の帰る場所』宮崎駿インタビュー集
折しも、新作映画が公開中の宮崎駿監督のインタビュー集。
彼の作品には、ファンタジーの中にとても深い何かが
埋め込んであると思うのです。
多くの人に受け入れられているのに、実はただの娯楽ではありえない。
そんな作家として他に思い浮かぶのは、宮沢賢治ミヒャエル・エンデですが、
この二人の新作はもう見られないんですものね。
風立ちぬ』を観る前に是非どうぞ。
ロッキングオンの編集長、渋谷陽一さんが聴き手として、またすばらしいんです。


2.『アインシュタインロマン6 エンデの文明砂漠』
そのミヒャエル・エンデが生前に出演したNHK特集の内容を単行本にしたものです。
1991年刊行、ということはかれこれ20年以上前の本になりますが、
今読むとその言葉ひとつひとつが、
当時よりも一層リアルに感じられるのではないでしょうか。
この1991年の時点で、見えない「第三次大戦」ははじまっている。
と、この本のなかでエンデは語っています。
そして、その危機に警鐘を鳴らしつつも、
ファンタジーという希望についても語られています。
彼が気付いていたことのほんの一部でも読み取れないかと、
著書をくりかえし読んでみます。そして度々はっとさせられるのですが、
それでもまだまだ、大事なことを取りこぼしているような気がしてしかたないのです。


3.『サンカーラ』 田口ランディ
ランディさんの本が好きだと友達に話したら、
どうして、そんなに苦しいことばかり書いた本を好きこのんで読むの?
と聞かれたことがある。
そういえば、彼女の小説やエッセーには死や暴力をテーマにしたものが多い。
ただし、やたらと暴力シーンがあったり、
人の死を軽く考えたりしている訳ではなく、
むしろ逆に、その暴力や人の死の奥底にあるものを追い求めるような内容だと思う。
それは読んでいて楽しいものでも、面白いことでも無いけれど、
どうしても知りたいことだったりする。
誰かが言ったように、正しいことしか起こらないのだとしたら、
この苦しみや痛みにどんな意味があるのか、
それが分からなければ、ただただ苦しいだけじゃないのかと思う。
そんな不条理は、私には受け入れ難いし、
かといって無視したり、感覚を麻痺させておくのも我慢ならない。
 広島、水俣、そして福島、繰り返し引き起こされる、人の起こした厄災に、
一体全体、何の意味があるんだろう。
どうしても気になるのは、その答えが本当に大事なことだからなんじゃないだろうか。


4.『ウンココロ』寄藤文平 藤田絃一郎
この重めの流れで、最後にこのタイトルかよ。とお思いかもしれませんが、
決してふざけていません。この本に書かれていることは本質的で、重要なことなのです。
数多ある健康本より何より、すばらしい名著。一家に一冊、
というか、トイレに一冊。是非常備するべきです。
大人タバコ養成講座でおなじみのイラストレータ寄藤文平氏と
寄生虫博士として名高い藤田絃一郎氏の強力タッグ。
面白くない訳がありません。
人もはばかるこのテーマを粋で香り高く。
買ったその日からあなたもウンコマスターに!


5.『ムンバイなう2』 ユザーン
ユザーンさんは外国人ではありません。
川越出身のタブラ(インドの楽器)奏者です。
『ムンバイなう2』というからには、2冊目、ということです。
前作同様、彼がインド滞在中にツイートした内容をまとめたものです。
無性に腹が立ったとき、この世をはかなむ気分になったとき、ご一読ください。
すべてがどうでもよくなります。