結局はなちゃんとどうぶつ病院に連れて行きました。
問診では特に異常がなかったので
血液検査とかしますか?と獣医さんに聞かれましたが
それはおことわりして
点滴だけ受けてもらいました。
でも、その後あまり状況が変わらなかったので
もう、ゆるやかに、弱っていくのだと覚悟しながら
また病院に行くのはやめることにしました。
点滴やビタミン注射を続ければ
とりあえず命だけはつながるのかもしれないけれど
たとえば自分ならそんなことを望まないので
このまま弱っていくはなちゃんを見守っていくつもり。
大好きな食べ物にも顔をそむけてしまうし
今日は水もあまり欲しがらない。


昨日ここまで書いてほったらかしていたのですが
夜おそくに、私がお風呂に入っている間に
はなちゃんは息をひきとりました。
4月でちょうど18歳になるところだったのですが
猫としては長生きしたと思います。
つい一週間前迄は早朝に起こされて
ごはんをあげたり、トイレに連れて行ったりしていたのですが。
しばらくは白いものがすべてはなちゃんに見えそう。
我が家の生活の中にネコの形にぽっかり穴があいたみたいです。


ねこには未来という概念がないと聞いたことがあります。
人間は起こりもしない未来の出来事を思い悩みますが
猫はそんなことに煩わされることもなく
常に今を生きているということでしょうか。
そうだとすると、自由に歩き回れず
ごはんも食べられないことはただただ哀しく希望のないこと
だったのかもしれません。
彼女が私のさしだすプリンや水に顔をそむけたのも当然かもしれません。
もう別の所に旅立とうとしているのを
無理矢理引き止めようとしたようなものです。

それではなちゃんはどこに行ってしまったのか
残された人間はそんなことも考えたりします。
また、背後から小さくニャとなきながら台所に現れそうで
しばらくはそんな幻ばかり見てしまいそうなのです。