じぶんのしごとを作ること まほうのはじまりのこと その2
ここで一旦、かなり昔にさかのぼります。
もう20年以上前のことになりますが、
私は地元の中学を卒業してから、
工業高校のデザイン科というところに進学しました。
ほとんどの高校生が大学進学のために勉強をすることになる
高校の3年間、
デザインや芸術、写真やコンピューターグラフィックなどを学べるというので
数学や英語が大嫌いだった私は、
喜び勇んでその学校に入学しました。
将来は、大量生産の商品のデザインや広告のデザインをやってみたいと思っていたのです。
ところが、そのデザインの授業で教えられたことに
引っかかって立ち止まりました。
商業デザインにおいて
商品や広告のデザインというものは
消費者と呼ばれる人々に欲を起こさせ
消費行動を喚起すべきもので
新しい商品を買ってもらうために
ひんぱんなモデルチェンジや刺激的な広告が必要ですと
講義の内容はおおざっぱにいうとそんな風なことでした。
折しも時代は、まだバブルの余韻ただよう90年代前半のこと
今考えると先生の皮肉だったのかもしれませんが、
それを聞いた高校生の私は
それってつまり、どんどんゴミをこしらえろってことじゃないの?
↓
一生懸命作ったモノでもすぐにゴミになるってこと?
↓
そんなの私はイヤだなぁ。
という結論に達した訳です。
それから希望の進路も芸大のデザイン学科から、
工芸の学科に変えることにしました。
クラフトならば、商業デザインの仕事よりも、
もっと気の長い仕事ができるかもしれないと思ったからです。
子供の頃から粘土細工が大好きだったので
陶芸が学べる学校を探して、
京都の短大に進学しました。
そして入学した当初は、将来は田舎に住んで
畑をしながら、モノ作りをして暮らして行きたいと思っていたのです。
ところが2回生になって進路を考えた時
陶芸関係の求人らしきものはほとんどみあたらず
だからといって、自分で何かをはじめる勇気もありませんでした。
結局、卒業まで進路は決まらず、
卒業後、某DIY店で販売の仕事にをしてから、
デザインの仕事を経て、商品企画の仕事に着きました。
なんだか結局ふりだしに戻ってしまったのかもしれません。
高校の時のあの疑問を胸にしまったまま、
そこではまさに、半年に1回以上新しい商品を作っては
次々に送り出していました。
>>>その3につづく