虫愛ずる姫君

虫愛ずる姫君ってのは
堤中納言物語
っていうお話に出て来る平安時代のお姫様のハナシなのです。
風の谷のナウシカのモデルになった
といえば
ご存知の方もおられるかもしれません。
このお姫様がなにしろ変わり者で
みんなが嫌がる虫、毛虫や芋虫なんかを飼って観察する
という、やんごとなき貴族のお姫様としては超突飛な趣味をお持ちなのでした。
その頃その階級の姫君の一般的な装いはといえば
おはぐろに剃眉の上にマロ眉毛、ずるずる長くて動きにくいかさねのお召し物
というのが常識でしたが
彼女はそんなことにはおかまいなし。
「お歯黒なんかキタナイし第一面倒だし。」
とか
「人間やたらと飾り立てるのはどうかと思う。」
とか
いろいろ理屈をこねては、歯は白いまま、眉毛は整えずにボサボサ
娘らしからぬ地味な色、変な柄(コオロギの柄だって。。)の短い上着
男の子みたいな白い袴。
で虫を探して庭をうろうろ。

この人物描写、フィクションにしてはどうも出来過ぎなので
たぶん実在のモデルがいるように思います。
しかし
皆に愛される「姫姉さま」ことナウシカとは違って
周りの侍女達は明らかにドン引き。
世間からは怪しまれたり避けられたりしているカンジの
彼女にはやたらと親近感がわくのです。
平安の世にも私の仲間は居た。。

マイナーでオルタナティブな存在を頭から否定するってのは
思考停止じゃないかと思うんですよ。
主流じゃないものを虐げる
主流に追随する。常に日和見
というのは
楽しいんだろうか。
思うに
ラクではあるけどタノしくもなさそである。
空気は読めてもあえて無視(虫?)
共鳴すれども協調はせず。
違いを認めて違いを埋めず。
ってとこで。
あれ。
最初は、ナウシカで明らかに気持ち悪い王蟲(オーム)
がだんだんカワイク見えて来る理由について
書きたかったはずなんだけど
なんかおかしくなってきた。
まぁいいか。。
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