もったいないオバケ

うずまきアパートの近くは古くからの商店街などがあり
昭和の下町風のお家がまだまだあります。
神戸は地震で随分少なくなった佇まいなので
昭和大正ムードのお家を見るとつい足を止めてジロジロ。
あやしいですね。
さて、そんな気になる名建築は空き家になってる所も多く
痛み具合も気になる所。
今はめずらしい木の建具やかわいい模様入りのガラス、
丁寧に塗られた様子の土壁やら、タイルやら
ああもったいないもったいないと
切なくなるというものですが。
昨日そんなお家の一件の周りに足場が組まれ
幕がはられています。

まさか!
此処を壊すってんじゃぁ!!
って、そのまさかで。
翌日ゴミ出しがてら覗きに行ったらば
おんちゃん達が何やら運び出してる風情。
ええと、このお家壊しちゃうんですか?
そう。
全部木でできていてすごくもったいないですねぇ。
そう、もう今じゃつくれん。
中身も全部捨てちゃうんですか?
そう。
えええ。中見せてもらっていいですか。
えいよ。いるのあったら持って行き。
わわわ。ありがとうございます。
→侵入。キョロキョロ。
ステキに煤けた柱やら木のガラス扉やらが欲しいけど
今の私に使えるあてもなく。
とりあえず小さなものをいくつか救出。

その後、そのことを何人かの友人に話して救出依頼。
あるツワモノは柱と板を救出してくれたのでした。
それを聞いてとても幸せな気分になるのです。
自分が使えなくても、すごーくいい。と思えるものを
使えそうなヒト、よろこびそうなヒトに教える。という
単純でもって精神衛生上すばらしい効果のある
セラピーのようななんというかを実践中。
お金で買えないものってあるんだよね。