本日の何冊か 9/24

土日休んだので
ここでちょっと複合紹介にしてみる。
本というものは単体で存在しない。
そこに書かれていることは
以前に誰かが書いたことや
著者が見聞きした本以外の事象が
複雑に絡み合って
丁度、きのこみたいに
ぽっこり表に出て来たものだと思う。
きのこは、あの私たちが見てる
あの傘のような部分(子実体といいます)を作る前に
地面や枯れ木の中にその何倍もの
菌糸をはりめぐらしている。
その複雑な地下部分が充実して
はじめて飛び出すものが
しいたけだったり、しめじだったりする。
著者の中で複雑にからみあった
いろんな情報があるときぽこんと
本という新しい形を作る。
本を読んでいて、
地下にあるそんな糸のつながりを見つけたりするのは面白い。
また前置きが長いけれど
今日読んでいた本の中に
これまでに読んだ本が繋がっているように見えたので
ちょっと紹介しようと思う。
今日読んでたのはコレ
生ごみ先生のおいしい食育』吉田俊道著
生ごみ先生のおいしい食育―シリーズ・食卓の向こう側 (西日本新聞ブックレット)
生ごみリサイクルで野菜を作るという内容。
地方の新聞社が出版している
ブックレット形式の薄い本で
ここに、私がここ数年
とても重要!と思ってたことがわかりやすく書いてあった。
土と虫、病気と薬、
植物と土を観察することによって浮かび上がる
私たちの体との共通点について。
この本ではまた『風の谷のナウシカ』(宮崎駿のコミックとその映画化作品)
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
のことが繰り返し取り上げられている。
ナウシカ王蟲腐海を怖れない。
むしろ彼らの役割を知って、それを皆に知らせようとする。
腐海を焼き払い、蟲を殺すことは、
その浄化のはたらきを阻害することでしかないと。
思えば醜い虫は腐敗したものに集まる。
彼らへの嫌悪感というのは、それが我々にとって
危険なものであって、そこに近づいてはいけない
または、彼らがいるような環境は危険であるという
内側から来る警告ともいえる。
そして人間は体の内側に土を抱えている。
健康な畑の土を考える時、それは
人間の腸内環境ととても似ていることに気がつく。
人間を口から内蔵の方を裏返して考えたなら
大腸と小腸は植物の根に相当する
ということは、
三木成夫氏の著書『海・呼吸・古代形象』
海・呼吸・古代形象―生命記憶と回想
で読んで、目から鱗がばらばらと落ちた考え方だった。
単純なことのようだけれど
私たちは土を内包している
と考えるならば
植物と土を観察することで
色々な問題や、その解決方法が見つかるのではないかと思う。
土壌の殺菌や過剰な施肥の結果が
人の食事や薬の摂取とつながって見える。
腸の中の良好な環境のことを
「腸内フローラ」と呼ぶ。
菌が形成するお花畑だ。
このあたりは、先日も紹介した『ウンココロ』
ウンココロ ~しあわせウンコ生活のススメ
も読んでいただきたい。
悪い菌を駆除しようと、投薬すると、良い菌も死滅して
このお花畑が荒廃する。
良い菌の優勢を保つためには
良い食べ物と水、さらには心の安定が不可欠なのだ。
色々全部繋がっている。
結局のところ悪者なんてどこにもいないのだと思う。
気持ちのいいところに気持ちのいいものが住まい
気持ちの悪いところに気持ちの悪いものが集まる。
小さな植物とその根元の土を観察するのは
世界平和に繋がってるといってもオーバーではないんじゃないかな。
さらにミクロな菌の世界には色んなヒントがいっぱいだ。
本が苦手だという人はまずこちらなんかも。
もやしもん(1) (イブニングKC)
菌が見えるという農大生が主人公の
奇想天外の菌マンガ。
菌の世界が身近になります。
ビバお花畑。